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厚生労働省が入る合同庁舎=東京都千代田区

 2023年に脳死となった人から提供された臓器の2割強が、医学的理由や院内体制などを理由に移植が見送られていたことが、分かった。厚生労働省が24日、調査結果を公表した。

 脳死下での臓器移植は、移植を待つ患者リストの優先順位をもとに、日本臓器移植ネットワーク(JOT)があっせんする。移植を実施するかどうかは、移植医療機関が待機患者や提供臓器の状態などをふまえて判断している。

 厚労省は、23年にJOTがあっせんした脳死となった131人からの831臓器(心臓、肺、肝臓、膵臓(すいぞう)、腎臓、小腸)について調査。約23%にあたる192臓器が、複数の医療機関が辞退したことで移植が成立していなかった。内訳は心臓が6件、肺が25件、肝臓が9件、膵臓が45件、腎臓が8件、小腸が99件。これにより移植が見送られた待機患者はのべ3706人だった。

 辞退理由で最も多いのは、提供臓器の機能的な問題などの「医学的な理由」で2195人(約59%)。「体格・年齢差」が573人(約15%)、移植医療機関の「院内体制」は509人(約14%)だった。院内体制では、「他の移植事例に対応していた」「電子カルテの改修中だった」などの理由が報告されたという。

 JOTによると、国内では移…

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